2019年7月 千葉県長生郡一宮町

古い時計店の整理

時計屋さんをやめるとの事で在庫品のご処分のお手伝いをさせていただきました。腕時計や現行品の掛け時計、風防ガラス、竜頭などの部品、研磨機等の専門機械まで様々ありました。
一時ほどのブームではありませんが、時計関係のコレクターは多く、メーカーの昔の看板などにも値段がついたりします。

昔ながらの時計店の店主は器用な方ばかりで、時計関係の微調整だけでなく眼鏡の修理、指輪など宝飾品の細かい商品を一緒に扱っていました。
明治から大正時代には時計や眼鏡、宝飾品などはとても高価で、それらを扱う高級品店が時計屋さんだったそうです。

今は時計、眼鏡、宝飾品などは専門店があり、在庫、価格などで太刀打ちできず、町の時計店などは少なくなってきています。
また世代交代で機械式時計などを修理できる時計職人さんはどんどん減っており、修理の為に持ち込んでも断られてしまう場合も多いようです。
小さな町の時計屋さんで、近所の方が”ちょっと時計の調子が悪くてさぁ”なんて言いながら、店主が時計を直している間に店主の奥様とお茶を飲みながら世間話をするなんて光景は減ってきてしまっているんでしょうね。

私もご依頼があり地方の小さな町にうかがい、時計店などを見つけると、店主のお話が聞きたくて寄ってみることがあります。
最初は警戒されますが、私が古い時計が好きなことが伝わるとお茶を出してくれて色々な昔話をしてくれたりします。

このような時計店が減っていくのは寂しいですが、まだまだ価値のある時計は後世に残っていくものと信じています。

フッター用ロゴ
  • 古物取扱許可番号 千葉県公安委員会許可 第441090001041号